月輪観
当山では新月、満月の夜に京都府久美浜町の砂浜で瞑想会を行っております。
「月輪観」はお月様を御本尊としてイメージを膨らませる瞑想方法です。
一般的には、月輪本尊と呼ばれる満月をあらわす円が描かれた掛け軸を目の高さに置き瞑想を行いますが当山の月輪観は掛け軸は使いません。
実際に海へ行き、砂浜で月と海風を感じながら瞑想を行います。
久美浜の海と月
久美浜の海は空気が澄んでいて海から見る月は神秘的な美しさがあります。
そして満月の夜はいつも以上に美しく明るい月が暗い海と砂浜を照らします。
旧暦のお盆の夜は、月の放つ白く強い光が海に降り注ぎます。
台風の後の満月は、空気が澄み渡り輪郭がくっきりしていて絵画のようです。
月が見えない程度の薄雲の日の満月は、空全体が光を放っているような錯覚を起こすほどの明るさです。
そして真っ暗な夜空に手を伸ばしたら届きそうな星がちりばむ新月。
月蝶寺が久美浜にある理由の1つはこの月と海があるからです。
五感で月を感じる
住職蝶朝と共に夜の海で
「美しい月星」
「さわやかな風」
「ほのかに香る塩の香り」
「自然と同化する波の音」
を五感で感じ、心の中に満月(月輪)を観じて下さい。
最終的にはご自身と宇宙が一体となる感覚を得るのが当山の月輪観です。
旧暦
旧暦とは太陽の動きと月の満ち欠けを基準にして日付けを数える太陰太陽暦(たいいんたいようれき)のことです。
明治維新より前の日本は全てが「旧暦」で動いていました。
そして毎月1日は「新月」15日は「満月」と決まっていました。
どういうことかと言うと日本は元々「月」のエネルギーを大切にし、月のエネルギーを中心考えていたということです。
お盆も旧暦では7月13日にご先祖様をお迎えして15日に送り出すと言うのが本来の形です。
そしてもちろん旧暦の7月15日は満月。
新暦の8月15日は満月と何ら関係ありません。
日本だけではなく世界中で夏の満月の夜は「死者が帰ってくる日」でした。
月と旧暦についての詳細は別でまとめています。
満月とは?
満月とは、月が太陽の光を受けてまんべんなく反射するため、欠けることなくまん丸の状態で見られる月のことをいいます。
新月とは?
新月とは、地球から見て月と太陽の方向が同じになり、月から反射した太陽の光が地球に届かないため、地球から月が見えない状態です。